高等部定期演奏会

(3-29-03)
@学院講堂

曲目
祝典序曲(D.ショスタコーヴィチ)
協奏曲第一番ヘ長調(C.シュターミッツ)
Consider The Uncommon Man(D.R.ホルジンガー)
2003年度コンクール課題曲T「ウィナーズ・吹奏楽のための行進曲」 (諏訪 雅彦)
海の男達の歌(R.W.スミス)
ジャズバリエーション
チキチキチキバン(R.&R.シャーマン・同名ミュージカルより)
「王様のレストラン」テーマ曲(服部 隆之)
Don't say that again(B.シャープ)
プスタ(J.V.デル・ロースト)
君をのせて〜鳥の人〜帰らざる日々〜風のとおり道(久石 譲)
キャラバンの到着(M.ルグラン)


高等部ブラスバンド部コーチが1月末にやめられて、応急処置として 中等部の吹奏楽部の指揮者が振ることになった演奏会でした。事後の対処が たいへん悪く、4年間指導して下さったコーチに対して感謝や慰労の気持ちを 持たない学校や部員たちに対して、あたしは怒りと悲しみばかり感じて いました。演奏会のお知らせが来ても行く気はなかったのですが、2年下の 後輩たちの最後の舞台なので行くことにしました。これで、全員の名前と 顔を完璧に覚えている代は終わりです。

「祝典序曲」はロシアのモーツァルトと呼ばれるショスタコーヴィチの 1954年の作品。第37回革命記念日のために、ロシアの党中央委員会から 依属を受けて作曲されました。また建て前では1952年のヴォルガ・ドン運河 開通に捧げられたとされています。構成は「スターリングラード市民は 前進する」「ジャズ組曲第2番」「誕生日」。日本ではこのように吹奏楽 アレンジで演奏されることが圧倒的に多いらしいです。

クラリネット・アンサンブルの「協奏曲第一番ヘ長調」は、元はピアノと クラリネット1本のための曲。今回はピアノのパートをバスクラリネットを 含む4人が担当しています。

次は吹奏楽界では有名なホルジンガーの作。派手に熱くしておいて、 最後は讃美歌の「アメージング・グレース」にくっつけてしまうという 強引さ。彼の過激な曲風は、母国アメリカで大ウケしているみたいです。 あんまり好きじゃなかったなぁ。

コンクール課題曲は、3分と短め。さわやかな朝の競技場の風景、勝利 への歩み・それに伴うドラマを描いた行進曲です。4曲ある課題曲の中から この曲を選んだ理由は何だろう、と考えていました。ブラスバンド部の夏の コンクールは、しいて言えば高校球児たちの夏の甲子園にあたるもの。長く 苦しい練習を経ても、本番は一日で終わります。結果は決して納得行くもの ではないかもしれない。でも、迎えた本番、正々堂々と実力を出して戦う ことの美しさ、それによって得られる満足感をみんな知って挑みます。 今年は金賞を狙うとのことです。頑張ってください。

第1部のトリは、スミスの「海の男達の歌」。アメリカ海軍の軍楽隊の 依嘱で作曲されたこの曲は吹奏楽では大人気で、コンクールの自由曲に選ぶ 学校が毎年たくさん。特徴的なのはパーカッション。鎖を叩きつける音、 波の音、弦(つる)の音を表現するため、様々な楽器(道具?)が出てきて 飽きさせません。第1部は波の音から始まり、水夫が錨を上げるときの 囃子歌のモチーフが現れます。華やかな合奏は壮大な海の光景を描きます。 第2部は「クジラの歌」。ユーフォニアムとオーボエのソロがあり、優しく 温かみがあります。第3部は「ヤンキーの快速船の競走」。ホルンのほら貝 がスタートを告げ、激しいメロディが転調しながら繰り返されます。最後は 第1部のテーマ、第3部のテーマが演奏されて終わります。聴き応えのある 曲です。

ポップス・ステージはパーカッションのアンサンブルで幕を開けました。 女子高生8人組。ドラムセット、ビブラフォン、マリンバ、ティンパニ、 バスドラム、カウベルなど、パーカッションパートの定番楽器で演奏される 楽しい曲。客席に向かって手拍子を求める余裕もあり、まるでプロのような 演奏でした。選抜で地方のアンサンブルコンテストに出場することにも なっていたようです。

金管パートが客席の後ろから「チキチキバンバン」を吹きながら行進して きて、舞台上で残りのパートと合流。サックスのソロがいまいちだった 「Tank!」、フランスを思わせる優雅な「王様のレストラン」と続き、 ラテンのノリで「Don't Say That Again」。ここまで曲風がすべて異なる のが面白いです。そして久石譲メドレー。あたしはここに出てくる曲を 半分しか知らないので、微妙でした。

「プスタ」は東ヨーロッパから中央アジアにかけての草原地帯の呼び名。 ジプシー風のエキゾチックな曲で、これはあたしの同期マグナム氏が指揮を しました。そんな彼に飲み会のとき「第1楽章がおいしそう」と言ったのに 同意を得られませんでした。おいしいって、食べ物のCMに使われてそうって ことね。デル・ロースト氏はご存命で、著作権に引っかかるのでMIDIは 載せられません。CDを聴いてみてください。絶対うまそう。

最終曲は三菱の車のCMに使われている「キャラバンの到着」。スマート なジャズ・ワルツで、フランス映画「ロシュフォールの恋人たち」の中の 1曲です。流行曲に走ると、耳が既存の演奏に慣れてしまった聴衆から 厳しい意見が出やすいと思うのですが、非の打ち所がありませんでした。

今回の定演は曲数の多さと難度においては高等部のブラバン史上初 だったのではないかなぁと思います。が、雰囲気までも違ってしまって、 OGとして寂しかったです。

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