主要登場人物

ザラストロ (B)
多くの信者を従える教祖様。何教かはわからないけど、随所に「イシスとオシリスの神」と 出てきます。パミーナを母親の元に置いておいたらいいことにはならない、と半拉致状態で 保護したため、夜の女王との仲が余計にこじれてます。このことがなければタミーノが パミーナに出会うことはなかったんだけど…。
叡智と理性を重んじる理想的な宗教を掲げ、全世界の平和のために尽くす人格者です。 アリアもダンディーで素敵。寛容な優しさが伝わってきます。
最低音:大字へ音

夜の女王 (S)
名前は「夜の女王」だけど、おミズっぽいとか色気むんむんってわけじゃないので、 誤解しないように。ヒステリックなおばさんです。
この人の旦那さんは、もとは「全てを焼き尽くす七重の日輪」を持っていたのですが、 亡くなるときに友人ザラストロに渡してしまいました。女王は権力を失い、どうにか ザラストロから日輪を取り返そうと虎視眈々と狙っています。娘のパミーナや、彼女に 惚れた王子タミーノはザラストロを破滅させるための道具に過ぎません。とにかく気性の 激しいお方。熱湯を浴びせるようなコロラトゥーラ(玉のように転がる高音域)を 堪能してください。
最高音:3点ヘ音。やり続けると3〜4年で声帯が 潰れるというすさまじい役です。

タミーノ (T)
異国の王子、20歳。日本の狩衣なんか着てたりして、ますます国籍不明。最初の頃の彼は、 一言で言うと「心身揃って弱い」です。初登場を飾りつつ、短いアリアを歌って失神。 さあ、「矢がなくなったら弓で応戦するくらいしろよ!」と一斉に突っ込みましょう。 多分「男性は優雅に」という古き良き時代に生まれたキャラクターだからそんなものなの でしょう。でもパミーナを愛する気持ちは半端じゃないし、お上品だし、かっこいいし、 彼氏にしたい度は70%くらい?
声域は「テノーレ・リリコ」といって、息の長い叙情的なフレーズを澄んだ声で滑らかに 歌うことが求められます。

パミーナ (S)
ブロンドに黒い瞳、年にしては落ち着いてる、運命に翻弄される薄幸の美少女です。 ヒステリックな母よりか、穏やかで威厳のある亡き父似かと思われます。モノスタトスに 付きまとわれ、愛していた実の母親に「ザラストロを殺せなかったら親子の縁を切る」と 断言されても、負けません。常に毅然とした態度でいます。しかし笛の音に導かれて やっと会えた試練中のタミーノにシカトされ、気がおかしくなって自殺しかけるという 脆さも持ち合わせています。ハッピーエンドを迎えるまで、彼女は苦難の道を歩み続け ます。

パパゲーノ (Br)
愉快な自然児、28歳。鳥の羽の服を着て、裸足。楽観的な性格はお父さんによって確立 された様子。お母さんは夜の女王に奉公していたそうで、そのツテでパパゲーノが捕まえた 鳥を城に献上して日々の生計を立てています。鳥を捕まえるときに吹くのが、手作りの 温かみ漂うパンの笛。ソ、ラ、シ、ド、レの5音が 出ます。曲中にもよく出てくるよ。
臆病者なのに強がるし、口は軽いし、今この瞬間だけを大切に生きる彼。食う寝る遊ぶは もちろん、女性への興味も津々。楽しいアリアの数々は「魔笛」の醍醐味で、後世の作曲家に よる編曲も多く残っています。しかしパパゲーナを失って自殺しかけるときのアリアは超 ダーク。ヘルマン・プライがとても感情豊かに歌っているから、機会があったら探して 聴いてみて。

パパゲーナ (S)
パパゲーノとの初対面時の歳は「18歳と2分」(謎)のぴちぴちギャル。なのに何故か 老婆の格好をして現れます。本来はパパゲーノとお揃いの鳥の羽の服を着た、雷が苦手な 美少女です。持ち曲は最後の二重唱「パ、パ、パ」しかないのが残念。もっとあっても いいんじゃないの?と思う。
ばぁちゃんのときの台詞は、声がすごく高くてかわいいです。舞台、もしくはCDやLDを 鑑賞するときには注目してみて。歌う時とセリフの声が全然違う特異キャラであります。

モノスタトス (T)
人格者ザラストロの下についていながら、とても自分勝手で乱暴なので、他の奴隷たちから 忌み嫌われています。ザラストロもほとほと手を焼いてる。黒人(モール人)という事実が ストーリーの中ではかなり重要です。しかし人種差別問題につながるので、現代は演出に 工夫をする必要があるでしょう(メトロポリタン歌劇場のLDでは黒人のパミーナに白人の モノスタトスという組み合わせでしたが、台詞は原典通りでした。違和感ありました)。
「全てを焼き尽くす七重の日輪」を狙う彼は後にザラストロの元を離れ、夜の女王の下に ついて下剋上を狙うのですが、失敗します。小悪党だけど、パミーナへの愛が叶わないのは ちょっとかわいそう。憎めないキャラなので、ファンも多いようです。

3人の侍女 (S) (MS) (A)
銀の投槍でもって大蛇を倒す腕もさながら、パパゲーノをきつく咎める口も達者で、何とも お強い。女王よりも強そう!?その勇ましさはアマゾンのイメージがぴったり。面食いで、 気絶しているタミーノを前に「私が残るから、あなたたち2人がお城に報告に行きなさいよ」 とそれぞれ主張したりする。そりゃこんだけ強けりゃ出会いはなさそうだ…っていうのは 余計なお世話かしら。強いけど、歌は美しいです。美人かどうかは、パパゲーノの「美人なら ベールをかぶる必要はないよ」という台詞に見え隠れ…?

3人の童子 (S) (MS) (A)
「若く美しく、優しく賢い」ですって。げへ!←あたしはショタコンではない。昔の 挿絵を見ると、まんまるく太って愛らしい、天使そっくりの姿をしています。パミーナと パパゲーノをそれぞれ説得して自殺を食い止める辺りからして、ただのがきんちょじゃ ありませんね。
本来ならばボーイソプラノを起用します。変声期を迎える前の男の子が歌うソプラノは、 本当に天使の歌声と呼ぶに相応しいですね。しかし近頃は子供たちの声が低くなってきて いるということで、成人女性によって歌われることが多いようです。ボーイソプラノの 減少は、カストラート(去勢歌手)の滅亡に次いで古典音楽界に大きな影響を与える でしょう。

弁者 (T)
タミーノとパパゲーノが試練に挑む前に、その意思を確認するために現れる神官2人の うちの1人。歌よりも台詞の方が多く、しかも小難しい言葉の羅列なので、ベテラン演技派 じゃないとできないのではないかな?あまり感情を露わにする役ではないのですが、退屈に なりがちな場面でどう観客を引きつけておくかという点でね。
劇中、弁者はタミーノと問答します。志高く、使命に燃えるタミーノに、彼はお墨付きを 出します。
第2の神官 (Br)は、 パパゲーノの意思確認をします。ユーモアを兼ね備えたおちゃめなおじさんなので、弁者 よりもとっつきやすいです。

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