玩具
こんな情事早く終わってしまえ。
「・・・・くぅ・・・ぁ・・・ひぁあ・・・」
「フフ、可愛い表情で泣きますね、キミは・・・」
「っ・・・ぁあ・・・るせぇ・・・・んぁ・・・」
「ハハ、キミはそうやって強がるんですね・・・」
「ひぃああっ・・・・!」
「・・・っく・・・・・・」
真っ暗闇の室内は、さっきの情事の熱がこもっていた。
体温は、さっきの熱をどこかへやってしまって平穏に戻っていた。
脱ぎ捨てられた服は、床に投げられていてそれを取る気も失せた。
「真っ暗で何にも見えやしねえ・・・・」
シャーっとシャワーの音が流れるのが聞こえる。
その音さえも今は心地よいと思えるくらいだ。
何もする気のおきない、この空間で俺はただ天井を見ていた。
ダブルベッドに散らばった、この部屋の主の衣類。
シーツを深くかぶって、寝ようと目を閉じた。
早く・・・静寂な世界に行きたい。
けれど、その眠りさえも俺にはできなかった。
「オルガ、シャワー開きました。入りなさい」
「・・・・・・・・・・・」
「起きてるんでしょ?ほら、早く・・・いつまでも僕の精で汚れた体で
僕のベッドに寝られるのも困りますんでね」
「・・・・・・わかった・・・・」
シャワーから出てきてバスローブを着た主は、ニヤリと笑いながら
ベッドに腰をかけてまだぬれている髪をふいた。
ヤツを一瞬睨みつけて、俺はシャワー室に行った。
おエライさんの部屋はいつもゴージャスだ。
俺達3人が共同で使ってる、シャワー室とは違いトイレ付き。
ったく、なんだこの温度差ってヤツは。
ハァっとため息をついて、シャワーのお湯を出すと
暖かな湯が俺の身体全身を温かい。
シャワーを浴びてると自分が写った鏡を見た瞬間に絶句した。
「・・・・!?な、アイツ!アレだけ跡をつけるなって言ったのに
跡をつけやがった!」
鏡に映った自分の首の跡には、赤くなったキスマークがついていた。
アイツ・・・あれほどつけるなと言ったキスマークを・・・。
最悪だ・・・。
「クソ、アズラエルのやつ・・・。最悪だ・・・」
前に調教されたとき、アイツに初めてキスマークをつけられた。
これは俺が、アイツの下僕だというのを知らしめるためだと言っていた。
そんな跡をつけるのをアイツは好んでいた。
俺は、ヤツの下僕なんかにはなってはいない。
なんで俺がアイツの下僕に・・・
自分のキスマークを見ながら、俺は壁を殴った。
「キミは、僕の玩具ですからね・・・」
そう頭の中で聞こえたような気がした。
「俺は、アイツの玩具じゃねえ・・・」
END
(アズオルはシリアスで書きたいです。今回アズオル処女作品になりました)
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