渡辺真由子 ”「創作子どもポルノ」と子どもの人権 ”5章の剽窃


 以下では、標題書(勁草書房2018年)がなした著作権侵害を疑わせる部分の一部を扱う。その余の諸点については、入口を参照するなどして確認されたい。小規模な窃用等については、序章の注等に関しても確認できる。

 ここで扱うのは、渡辺作文第5章「国際条約の児童ポルノ規制の枠組み」全体である。本文は107-125頁に、注は125-129頁に書かれる。本文が足掛け19頁に及ぶこの部分は、渡辺の自著を元としている。自著の再利用については、注1に「本章については、既に渡辺[二〇一五]で論じている(一部加筆修正)。」(125頁)と書かれている。該当する物件は、「子どもポルノをめぐる国際動向と人権」情報通信政策レビュー10号(2015年3月)である。明示的な断り書きのある再利用に対しては、必ずしも重大な問題ありとはできない。そこでこれについては特段の指摘を控える。しかし、この点を除いてもなお、問題が発見される。剽窃された表現を含んでいるのである。
 剽窃元(見つけやすいよう物件ごとに★を付す)は、初出順に★佐藤幸「児童ポルノに関する国際的規律と子どもの権利 国際人権法の観点から見た日本の児童ポルノ対策」北大法政ジャーナル21-22合併号(2005年12月)・★西垣真知子「子どもの性的保護と刑事規制 児童ポルノ単純所持規制条例の意義と課題」龍谷大学大学院法学研究15号(2013年7月)・★阿部克己『子どもの性的搾取撲滅への挑戦 「子どもの買春問題等への各国の取組みに関する調査研究」報告書』(女性のためのアジア平和国民基金1997年3月)・★間柴泰治「諸外国における実在しない児童を描写した漫画等のポルノに対する法規制の例」レファレンス2008年11月号・★皆川誠「児童の商業的性的搾取に関する国際法の現状と課題」早稲田大学社会安全政策研究所紀要4号(2012年3月)・★尾崎久仁子「児童の売買に対する国際的取組み」法学セミナー577号(2003年1月)・★勝間靖「子どもの権利とその国際的保護 商業的な性的搾取との闘いにおいて」アジア太平洋討究12号(2009年3月)・★寺本智美「子どもの商業的性的搾取根絶へむけて 子ども参加の可能性」立命館国際関係論集4号(2004年4月)・★日弁連「(参考)サイバー犯罪条約とその国内法化に関するQ&A」(2004年5月)・★大森佐和「子どもポルノをめぐる法的状況」セクシュアリティ47号(2010年7月)・★Council of Europe”Explanatory Report to the Convention on Cybercrime” (European Treaty Series - No. 185)である。

 ここで盗用された文字列も、引用ではなく本文の一部として書かれている。そればかりか、本質的でない部分的な書き換えの故に引用であると言い張ることも不可能である。しかも渡辺は、あたかも参考として参照したかの如く、剽窃元を時々参照先として示す。長くなるが、下記に三者を対照して引用する。なお、ここでの引用は、対照の必要に応じた範囲のみとしている。原典には、下に掲げる引用以外の部分も含まれている。また、2015年の渡辺作文の注については、原典に到達するための何らかの注記を省いた。必要があれば、2018年のものの引用箇所または2015年のものの現物を参照されたい。

剽窃元 書籍2018 作文2015
  1 子どもの商業的性的搾取に関する国際条約の変遷
2.子どもの商業的性的搾取に関する国際法の変遷
佐藤 1章1節1項 論理7表示80頁(7,80) 渡辺作文2018 5章冒頭部 107-108頁(107) 渡辺作文2015
 児童ポルノの国際的規律は、1980年代後半以降発展した。今日では、主に以下の5つの条約が児童ポルノに関する国際的規律を構成している。その5つの条約とは、国連で採択された子どもの権利条約と選択議定書、国際労働機関(ILO)で採択された「最悪の労働形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(以下、ILO182号条約)【注30】」、及び欧州評議会で採択された「サイバー犯罪に関する条約(以下、サイバー犯罪条約)【注31】」と「性的搾取及び性的虐待からの子どもの保護に関する条約【注32】」である【注33】。

〔注は論理27表示100頁。〕
注30 1999年に第87回ILO総会において全会一致で採択され、2000年に発効した。締約国数173か国(2015年1月現在)。採択状況、批准状況から、国際社会における関心の高さがうかがえる。日本は2001年に批准した。2002年に日本に対して効力が発生した。
注31 2001年に欧州評議会で採択された。2004年に発効。締約国数(2015年1月現在)。日本は2012年に批准し、同年日本に対して効力が発生した。
注32 2007年に欧州評議会で採択され、2010年に発効した。締約国数35か国(2015年1月現在)。日本は未批准。
注33 欧州評議会で採択されたサイバー犯罪条約と性的搾取及び性的虐待からの子どもの保護に関する条約は、欧州評議会の加盟国以外にも開放されている。現在、前者の署名国(欧州評議会加盟国以外)は、アメリカ、カナダ、日本、南アフリカ、オーストラリア、パナマ、モーリシャス、ドミニカ共和国の8か国で、カナダと南アフリカを除く6か国が批准している。一方、後者を欧州評議会加盟国以外で批准している国家は、未だにない。
児童ポルノに関する主な国際条約は、国連で採択された子どもの権利条約「子ども売買等選択議定書」【注2】、国際労働機関(ILO)で採択された「最悪の労働形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(以下、ILO一八二号条約)【注3】」、及び欧州評議会で採択された「サイバー犯罪条約」と「性的搾取性的虐待からの子どもの保護に関する条約」の五つであるとされる【注4】

注3 ILO C. 182 Worst Forms of Child Labor Convention
注4 佐藤幸[二〇一五]「児童ポルノに関する国際的規律と子どもの権利 ―国際人権法の観点から見た日本の児童ポルノ対策」『北大法政ジャーナル』No.21-22、八〇頁。〔原典注33と同位置ながら内容に相違。〕
〔対応箇所なし。〕
   (1) 子どもへの権利付与
  @ 子どもの権利条約に見る「子ども像」の転換
 2.1.子どもへの権利付与
  2.1.1.子どもの権利条約にみる「子ども像」の転換
西垣 1章2節 論理3-4表示71-72頁(3,71) 渡辺作文2018 5章1(1)@ 108-110頁(108-109) 渡辺作文2015 2.1.1 3-5頁(4)
 児童ポルノは、1970年代前半にアメリカで最初に深刻視され始めた【注17】。その後、マスコミによるキャンペーンなどを通じ1970年代後半に州と連邦でそれぞれ児童ポルノを規制する法律が制定された【注18】。取締りの厳しくなったアメリカに代わり80年代には児童ポルノの輸出国と化した西欧諸国においても、1990年代前半までには立法措置が取られるようになった【注19】

注17 前章(注2)山田論文139頁。〔前章「はじめに」注2に山田論文は含まれない。注3の誤記と推定される。〕
注18 上掲(注3)山田論文143頁。
注19 上掲(注3)山田論文139頁。
はじめに〔=前章〕論理1表示69頁注3 山田敏之「先進諸国における児童ポルノ規制」(『外国の立法』34巻5・6=特集児童買春ツアー・児童ポルノ,139-149頁,1996年
 子どもポルノに関しては、一九七〇年代前半にアメリカで最初に深刻視され始めた【注10】。その後、マスコミによるキャンペーンなどを通じ、年代後半に州と連邦でそれぞれ子どもポルノを規制する法律が制定された。取りの厳しくなったアメリカに代わり八〇年代には西欧諸国が児童ポルノの輸出国と化すようになった【注11】

注10 一九六〇年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部[一九九七]一一-四〇頁、間柴[二〇〇八]五一頁)。
注11 西垣[二〇一三]七一頁。
 子どもポルノに関しては、1970年代前半にアメリカで最初に深刻視され始めた【注22】。マスコミによるキャンペーンなどを通じ、同年代後半に州と連邦でそれぞれ子どもポルノを規制する法律が制定された。取り締まりの厳しくなったアメリカに代わり、80年代には西欧諸国が子どもポルノの輸出国と化すようになった【注23】。

注22 1960年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部11・40頁、間柴51頁)。
注23 西垣、71頁。
勝間 1.(2) 論理3表示179頁(3,179) 渡辺作文 1(1)@ つづき(109) 渡辺作文2015 2.1.1 つづき(4-5)
 子どもの権利条約は、さらに、子どもを、親によって保護されるべき「客体」から、自らが生存・発達・保護・参加の権利をもつ「主体」へと転換した。〔この段落の以下4行強を省く。〕  子どもの権利条約の特徴の一つは、子どもを、親によって保護されるべき「客体」から、自らが生存・発達・保護・三架の権利をもつ「主体」へと転換したことである【注16】〔この段落の以下約6行を省く。〕

注16 勝間[二〇〇九]一七九頁。
 子どもの権利条約の特徴の1つは、子どもを、親によって保護されるべき「客体」から、自らが生存・発達・保護・参加の権利をもつ「主体」へと転換したことである【注29】。

注29 勝間、179頁。
阿部 W2(1) 40頁(40) 渡辺作文2018 5章1(1)@ つづき(108) 渡辺作文2015 2.1.1 つづき(4)

 地域的には、北欧と北米において、これまでもっとも多くの子どもポルノがみられた。アメリカで製作された題材が多かったが、アジアやアフリア〔原文のまま〕の子どもを被写体にしたものもあった。だが、1970年代から80年代にかけて法的規制が強まったため、商業的頒布はかなり減少することになる。〔この段落の以下約130字を省く。〕
〔二つ上の枠内から再掲〕
126頁注10 一九六〇年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部[一九九七]一一-四〇頁、間柴[二〇〇八]五一頁)。
〔二つ上の枠内から再掲〕
注22 1960年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部11・40頁、間柴51頁)。
阿部 T3(2) 11-12頁(12) 渡辺作文2018 5章1(1)@ つづき(108) 渡辺作文2015 2.1.1 つづき(4)

 1960年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、西欧や北欧においてポルノを合法化する潮流が顕在化した。それとともに、売春や覗き見などの犯罪も非処罰の対象になったり、その取締りをきわめて緩やかにされていった。その結果、それらの国ぐにでは性産業が飛躍的に成長したが、反面、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。〔この段落の以下約220字を省く。〕
〔上の枠内から再掲〕
126頁注10 一九六〇年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部[一九九七]一一-四〇頁、間柴[二〇〇八]五一頁)。
〔上の枠内から再掲〕
注22 1960年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部11・40頁、間柴51頁)。
間柴2008 U1(1)(i)(a) 論理5-6表示50-51頁(6,51) 渡辺作文2018 5章1(1)@ つづき(109) 渡辺作文2015 2.1.1 つづき(4)

 ところで、これらの規制立法は、いずれも実在する児童を描写した児童ポルノを対象としてきた。これは、児童ポルノがしばしば児童の性的虐待を伴い、被害児童への権利侵害が甚大であることを主な根拠としているためであって、それゆえ、表現の自由の保障の範囲外とされ、また、わいせつ物規制と比較しても極めて厳しい規制が正当化されてきた。
〔上二枠内から再掲〕
注10 一九六〇年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部[一九九七]一一-四〇頁、間柴[二〇〇八]五一頁)。
〔上二枠内から再掲〕
注22 1960年代からポルノを「被害者なき犯罪」とする主張が強まり、子どもが性的に搾取される事態も増大していった。子どもポルノには特にアメリカで製作された題材が多く、それらがしばしば子どもの性的虐待を伴い、被害者への権利侵害が甚大であるとの認識から、規制が漸次強化されることとなった(阿部11・40頁、間柴51頁)。
    A 子どもの権利条約とCSEC   2.1.2.子どもの権利条約とCSEC
皆川 1 論理1-4表示149-152頁(2,150) 渡辺作文2018 5章1(1)A 110-111頁(110) 渡辺作文2015 2.1.2 5-6頁(5)
〔この段落の冒頭から2行弱を省く。〕1989年に採択された児童の権利に関する条約(以下、児童の権利条約)34条において「あらゆる形態の性的搾取及び性的虐待から児童を保護する」と規定し、国際社会におけるこの問題に対する一定の方向性された。〔この段落の以下7行強を省く。〕  子どもの権利条約は、子どもの商業的性的搾取の問題に対する国際社会一定の方向性【注23】〔この段落の以下7行弱を省く。〕

注23 皆川[二〇一一]一五〇頁。勝間[二〇〇九]一八三頁。
 子どもの権利条約は、子どもの商業的性的搾取の問題に対する国際社会の一定の方向性を示した【注36】。〔この段落の以下約7行を省く。〕

注36 皆川、150頁。勝間、183頁。
皆川 2_2(1) 論理4表示152頁(4,152) 渡辺作文2018 5章1(1)A つづき(111) 渡辺作文2015 2.1.2 つづき(6)
〔この段落ここまで9行弱を省く。〕これらの規定は、締約国がとるべき具体的な措置の内容には触れていないが、その後に作成される児童の商業的性的搾取に関する国際文書の出発点になったものと評価されている【注11】。

論理17表示165頁注11 尾崎「前掲論文」(注5)65-66頁;平野裕二「子どもの性的搾取と国際人権法」『法学セミナー』530号(1999年)38頁。
論理16表示164頁注5 尾崎久仁子「児童の売買に対する国際的取組み」『法学セミナー』577号(2003年)65頁。
これらの規定は、締約国がとるべき具体的な措置の内容には触れていないが、その後に作成される子どもの商業的性的搾取に関する国際文書の出発点になったものと評価されている【注26】。

注26 尾崎久仁子[二〇〇三]「児童の売買に対する国際的取組み」『法学セミナー』第五七七号、日本評論社、六五-六六頁。
これらの規定は、締約国がとるべき具体的な措置の内容には触れていないが、その後に作成される子どもの商業的性的搾取に関する国際文書の出発点になったものと評価されている【注39】。

注39 尾崎、65-66頁参照。
尾崎 1 65-66頁(65-66) 渡辺作文2018 5章1(1)A つづき(111) 渡辺作文2015 2.1.2 つづき(6)

この規定は締約国がとるべき措置の具体的な内容には触れていないが、その後に作成される児童売買関係の国際文書の出発点となった。
〔上掲に同じ。〕
れらの規定は締約国がとるべき具体的な措置の内容には触れていないが、その後に作成される子どもの商業的性的搾取に関する国際文書の出発点になったものと評価されている【注26】

注26 尾崎久仁子[二〇〇三]「児童の売買に対する国際的取組み」『法学セミナー』第五七七号、日本評論社、六五-六六頁。
〔再掲を省く。〕
勝間 3(3) 論理6-7表示182-163頁(6,182) 渡辺作文2018 5章1(1)A つづき(110-111) 渡辺作文2015 2.1.2 つづき(5-6)

子どもの権利条約に署名・比準することによって、子どもの権利の実現について履行の義務を負っているはずの国家が、その責務を充分に果たしていないことが、CSECをはびこらせる要因となっているのである
〔改行なしに直前から続く〕
もっとも子どもの権利条約に署名・批准した国の中には、子ども買春観光によって外貨収入を得ているためCSEC問題に積極的に取り組もうとしない例もあり、CSECをはびこらせる要因となっていることが指摘されている【注27】

注27 勝間[二〇〇九]一八二頁。
〔改行なしに直前から続く〕
もっとも子どもの権利条約に署名・批准した国のなかには、子ども買春観光によって外貨収入を得ているためCSEC問題に積極的に取り組もうとしない例もあり、CSECをはびこらせる要因となっていることが指摘されている【注40】。

注40 勝間、182頁。
   (2) 子どもポルノの犯罪化へ
  @ ILO一八二号条約「最悪の形態の子ども労働」
 2.2.子どもポルノの犯罪化へ
  2.2.1.ILO182号条約「最悪の形態の子ども労働」
皆川 2_2(2) 論理4-5表示152-153頁(4,152) 渡辺作文2018 5章1(2)@ 111-112頁(111-112) 渡辺作文2015 2.2.1 6-7頁(6)
 古くから児童労働の問題を扱ってきた国際労働機関(ILO)は、1999年に最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約(以下、ILO182号条約)を採択した。同条約は、〔これ以下の行為を列挙する部分を省く。〕 古くから子ども労働の問題を扱ってきたILOは、一九九九年にILO一八二号条約を採択した(日本は二〇〇一年に批准)「最悪の形態の子ども労働」には、子どもポルノのほか、「反道徳的な業務」(性的な虐待にさらす業務など)も含まれている。 古くから子ども労働の問題を扱ってきた国連の専門機関、国際労働機関(ILO)は、1999年に、「最悪の形態の子ども労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」(以下、ILO182号条約)を採択した(日本は2001年に批准)。「最悪の形態の子ども労働」には、子どもポルノのほか、「反道徳的な業務」(性的な虐待にさらす業務など)も含まれている。
    A 子ども売買等選択議定書   2.2.2.子ども売買等選択議定書
寺本 2章1節2) 14頁(14) 渡辺作文2018 5章1(2)A 113-114頁(113) 渡辺作文2015 2.2.2 7頁(7)
〔この部分のみ一致箇所に下線を付し同義語を赤字とした。〕
 特に「子どもの商業的性的搾取に関する子どもの権利条約選択議定書」は、深刻化するCSECの問題に立ち向かうため、CRC34条に焦点を当てて具体化したものであり、性的搾取等の人権侵害行為を厳しく取り締まるための指針として期待が寄せられている。
〔この部分のみ一致箇所に下線を付し同義語を赤字とした。〕
 ILO一八二号条約が採択された翌年の二〇〇〇年五月、「子ども売買等選択議定書」が国連総会で採択された(日本は二〇〇五年に批准・発効)。深刻化する子どもの商業的性的搾取の問題に立ち向かうため、子どもの権利条約三四条に焦点を当てて具体的な規定を置いた、初めての条約である。同条約では、子どもポルノ等をより具体的に犯罪化している【注30】。

注30 寺本[二〇〇四]一四頁。尾崎[二〇〇三]六六頁。勝間[二〇〇九]一八三頁。
 ILO182号条約が採択された翌年の2000年5月、「子ども売買・子ども買春・子ども ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書【注43】」(以下、子ども売買等選択議定書)が国連総会で採択された(日本は2005年に批准・発効)。深刻化する子どもの商業的性的搾取の問題に立ち向かうため、子どもの権利条約34条に焦点を当てて具体的な規定を置いた、初めての条約である。同条約では、子どもポルノ等をより具体的に犯罪化している【注44】。

注43 選択議定書とは、既存の条約を補完するために、条約とは独立して作成される法的国際文書。条約と同じ効力を持つ(日本ユニセフ協会、プラン・ジャパンより)。
注44 寺本、14頁。尾崎、66頁。勝間、183頁。
皆川 22(3) 論理5-6表示153-154頁(5,153) 渡辺作文2018 5章1(2)A つづき(113) 渡辺作文2015 2.2.2 つづき(7)
 条において締約国は、「この議定書に従って児童の売買、児童買春及び児童ポルノを禁止する」こととされ、条では、「児童の売買」とは、「報酬その他の対償のために、児童が個人若しくは集団により他の個人若しくは集団に引き渡されるわらゆる行為又はこのような引渡しについてのあらゆる取引」をいい、「児童買春」とは、「報酬その他の対償のために、児童を性的な行為に使用すること」をいい、そして、「児童ポルノとは、「現実の若しくは疑似のあからさまな性的な行為を行う児童のあらゆる表現(手段のいかんを問わない。)又は主として性的な目的のための児童の身体の性的な部位のあらゆる表現をいう」としてそれぞれの定義が規定されている。そのうえで、議定書は締約国に対して@児童を性的搾取、営利目的の臓器の引渡しまたは〔原典もここから漢字でない〕強制労働の目的のために提供し、移送しまたは収受すること、A児童買春のために児童を提供し、取得し、あっせんしまたは供給すること、およびB児童ポルノを製造し、配布し、頒布し、輸入し、輸出し、提供しもしくは販売しまたはこれらの行為の目的で保有することが自国の刑法または刑罰法規の適用を受けることを確保するよう義務付けている(条)。  条において締約国は、「この議定書に従って子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノを禁止する」こととされ、条では、子どもの売買、子どもの買春、及び子どもポルノの定義が置かれている(子どもポルノの定義については後述)。その子どもポルノに関しては、議定書は締約国に対して、子どもポルノを製造し、配布し、頒布し、輸入し、輸出し、提供しもしくは販売しまたはこれらの行為の目的で保有することが自国の刑法または刑罰法規の適用を受けることを確保するよう義務付けている(条)。
〔この段落に注なし。〕
 1条において締約国は、「この議定書に従って子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノを禁止する」こととされ、2条では、子どもの売買、子ども買春及び子どもポルノの各定義が規定されている(子どもポルノの定義については後述)。その上で子どもポルノに関しては、議定書は締約国に対して、子どもポルノを製造し、配布し、頒布し、輸入し、輸出し、提供しもしくは販売し、またはこれらの行為の目的で保有することが自国の刑法または刑罰法規の適用を受けることを確保するよう義務付けている(3条)。
皆川 22(3) つづき(5-6,153-154) 渡辺作文2018 5章1(2)A つづき(113-114) 渡辺作文2015 2.2.2 つづき(7)
 締約国は、これらの犯罪が自国の領域内で行われた場合に裁判権を設定することが義務付けられ、容疑者が自国の領域内に所在し、かつ、犯罪が自国の国民によって行われたことを理由として他の締約国に対して当該容疑者の引渡しを行わない場合においても、自国の裁判権を設定するための必要な措置をとることが義務付けられている(条)。また、議定書に定める犯罪は、締約国間の現行の犯罪人引渡条約または締約国の国内法における引渡犯罪とされること、犯人の国籍を理由として引渡しを行わないときは、締約国は訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託するための適当な措置をとることが義務付けられている(条)。  締約国は、これらの犯罪が自国の領域内で行われた場合に裁判権を設定することが義務付けられ、容疑者が自国の領域内に所在し、かつ、犯罪が自国の国民によって行われたことを理由として他の締約国に対して当該容疑者の引渡しを行わない場合においても、自国の裁判権を設定するための必要な措置をとることが義務付けられている(条)。また、議定書に定める犯罪は、締約国間の現行の犯罪人引渡条約または締約国の国内法における引渡犯罪とされること、犯人の国籍を理由として引渡しを行わないときは、締約国は訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託するための適当な措置をとることが義務付けられている(条)。
〔この段落に注なし。〕
 締約国は、これらの犯罪が自国の領域内等で行われた場合に裁判権を設定することが義務付けられ、容疑者が自国の領域内に所在し、かつ、犯罪が自国の国民によって行われたことを理由として他の締約国に対して当該容疑者の引渡しを行わない場合においても、自国の裁判権を設定するための必要な措置をとることが義務付けられている(4条)。また、議定書に定める犯罪は、締約国間の現行の犯罪人引渡条約または締約国の国内法における引渡犯罪とされること、犯人の国籍を理由として引渡しを行わないときは、締約国は訴追のため自国の権限のある当局に事件を付託するための適当な措置をとることが義務付けられている(5条)
皆川 22(3) つづき(6,154) 渡辺作文2018 5章1(2)A つづき(114) 渡辺作文2015 2.2.2 つづき(7)
 さらに同議定書では、捜査共助、捜査協力など加害者の処罰に関する規定のほか、被害児童の保護について、児童への情報提供や意見表明の考慮、プライバシーの保護、証人保護、被害者の年齢の不明確性によって捜査開始を妨げないようにすること(条)、犯罪防止措置としての教育や啓発活動についても規定されている(条)。  さらに同議定書では、捜査共助、捜査協力など加害者の処罰に関する規定のほか、被害児童の保護について、子どもへの情報提供や意見表明の考慮、プライバシーの保護、証人保護、被害者の年齢の不明確性によって捜査開始を妨げないようにすること(条)などが規定されている。また、犯罪防止措置としての教育や啓発活動について規定されている(条)【注31】

注31 皆川[二〇一一]一五三-一五四頁。
 さらに同議定書では、捜査共助、捜査協力など加害者の処罰に関する規定のほか、被害児童の保護について、子どもへの情報提供や意見表明の考慮、プライバシーの保護、証人保護、被害者の年齢の不明確性によって捜査開始を妨げないようにすること(8条)などが規定されている。また、犯罪防止措置としての教育や啓発活動についても規定されている(9条)【注45】。

注45 皆川、153-154頁参照。
   (3) インターネット上の子どもポルノへの対応
  @ サイバー犯罪条約
 2.3.インターネット上の子どもポルノへの対応
  2.3.1.サイバー犯罪条約
日弁連 渡辺作文2018 5章1(3)@ 114-115頁(114) 渡辺作文2015 2.3.1 7-10頁(7-8)
そのため、サイバー犯罪条約は、欧州評議会の枠を越えた国際的な条約としての意味を持っています そのため条約は、欧州評議会の枠を越えた国際的な条約としての意味を持つ【注32】

注32 日本弁護士連合会[二〇〇四]「国際刑事立法対策委員会 サイバー犯罪条約とその国内法化に関するQ&A」〔書誌事項またはURL記載なし〕
そのため同条約は、欧州評議会の枠を越えた国際的な条約としての意味を持つ【注46】。

注46 日本弁護士連合会(2004)。
西垣 1章4節 論理4表示72頁 渡辺作文2018 5章1(3)@ つづき(115) 渡辺作文2015 2.3.1 つづき(8)
 児童ポルノの単純所持については、サイバー犯罪条約により対応がなされることとなった(9条1項dおよびe)【注24】。もっとも単純所持および仮想描写(9条2項bおよびc)については留保事項が設けられているが、児童ポルノと知りつつ、これを取得する場合、その当罰性が低いとは必ずしもいえないようにも思われる。しかし、ポルノの有する属性と保護法益の関係性、プライバシー権の影響を考慮し、条約上の取得罪は担保されず、現時点ではこれを留保することが必要と解される【注25】

注24 サイバー犯罪条約については島戸純「児童買春,児童ポルノ処罰法の施行状況,児童の性的搾取等を防止するための国際的動向」(『警察学論集』第56巻第2号)64-66頁,永井善之「サイバー・ポルノ規制と刑法および児童ポルノ法の改正」(『刑法雑誌』45巻1号,2005年)134-137頁参照。
注25 上掲(注24)永井論文134-135頁参照。
子どもポルノの単純所持については、条約により対応がなされることとなった。もっとも単純所持および仮想描写については留保事項が設けられていた【注33】

注33 皆川[二〇一一]一五五頁、西垣[二〇一三]七二頁。
子どもポルノの単純所持については、同条約により対応がなされることとなった。もっとも単純所持及び仮想描写については、留保事項が設けられていた【注47】。

注47 皆川、155頁。西垣、72頁。
日弁連 渡辺作文2018 5章1(3)@ つづき(115) 渡辺作文2015 2.3.1 つづき(8)
その理由については、市民のインターネット上のプライバシーの保護、通信の秘密などの人権保障の後退への危惧が高まっていることと、IT産業界からの経済負担の増加についての危惧が高まっているためといわれています
また、サイバー犯罪条約を批准すると、他の加盟国から、自国内では犯罪とされていない行為についても捜査について援助が求められ、これに応じなければならないため、自国の主権を侵すおそれがあることも、主要先進国で批准が進んでいない理由の一つと考えられます
その理由については、市民のインターネット上のプライバシーの保護、通信の秘密などの人権保障の後退への危惧が高まっていることと、IT産業界からの経済負担の増加についての危惧が高まっているためとされる。また、条約を批准すると、他の加盟国から、自国内では犯罪とされていない行為についても捜査について援助が求められ、これに応じなければならないため、自国の主権を侵すおそれがあることも、批准が進んでいない理由の一つと考えられる【注36】

注36 日本弁護士連合会[二〇〇四]。
その理由については、市民のインターネット上のプライバシーの保護や、通信の秘密などの人権保障の後退への危惧が高まっていることと、IT産業界からの経済負担の増加についての危惧が高まっているためとされる。また、同条約を批准すると、他の加盟国から、自国内では犯罪とされていない行為についても捜査について援助が求められ、これに応じなければならないため、自国の主権を侵すおそれがあることも、批准が進んでいない理由の一つと考えられる【注50】。

注50 日本弁護士連合会(同)。
    A 性的搾取・性的虐待子ども保護条約   2.3.2.性的搾取・性的虐待子ども保護条約
大森 68-69頁(68-69) 渡辺作文2018 5章1(3)A 115-117頁(115-116) 渡辺作文2015 2.3.2 10-11頁(10)
 こうした従来の国際条約や地域条約に比べ、子どもポルノというきわめて深刻な性暴力から子どもを守るという観点から現在最も進んだ包括的な条約といえるのが、欧州評議会による「子どもの性的搾取及び性的虐待からの保護に関する条約」である。この条約は、子どもの健康や心理的社会的発達に重大な影響を及ぼすあらゆる形態の性暴力から子どもを保護するため、子どもポルノや子ども買春等の性的搾取のみならず、家庭・施設等での身近な人や見知らぬ人による子どもの性的虐待についても予防・保護・処罰化に関して国際協調を目指す包括的な条約である。〔この段落の以下26字8行弱を省く。〕  欧州評議会は二〇〇七年、子どもの商業的性的搾取のみならず、それ以外の形態の虐待行為をも対象として、性的搾取・性的虐待子ども保護条約を採択した。子どもの健康や心理的社会的発達に重大な影響を及ぼすあらゆる形態の性暴力から子どもを保護するため、子どもポルノや子ども買春等の性的搾取のみならず、家庭・施設等での身近な人や見知らぬ人による子どもの性的虐待についても予防・保護・処罰化に関して国際協調を目指す包括的な条約である【注37】

注37 大森佐和[二〇一〇]「子どもポルノをめぐる法的状況」『セクシュアリティ』第四七号、エイデル研究所、六八頁。〔頁数表示は失当。〕
 欧州評議会は2007年、子どもの商業的性的搾取のみならず、それ以外の形態の虐待行為をも対象として、「子どもの性的搾取及び性的虐待からの保護に関する条約」(以下、性的搾取・性的虐待子ども保護条約)を採択した(日本は未署名)。子どもの健康や心理的社会的発達に重大な影響を及ぼすあらゆる形態の性暴力から子どもを保護するため、子どもポルノや子ども買春等の性的搾取のみならず、家庭・施設等での身近な人や見知らぬ人による子どもの性的虐待についても予防・保護・処罰化に関して国際協調を目指す包括的な条約である【注51】。

注51 大森、68頁。〔末尾23頁の参考文献一覧12に記載の書誌事項を省く。〕
皆川 3_3(3) 論理13-14表示161-162頁(13-14,161-162) 渡辺作文2018 5章1(3)A つづき(117) 渡辺作文2015 2.3.2 つづき(11)
児童の権利を基軸として児童の性的搾取・性的虐待を包括的に規定した同条約は、児童商業的性的搾取の問題への対応一定の方向性を示していると評価することができよう  子どもの権利を基軸として児童の性的搾取・性的虐待を包括的に規定した同条約は、「子ども最善の利益を充分に考慮する」という観点から、より子どもの権利の保障に比重を置いた法的な制度の構築が、子どものCESC問題への実効的な対処となり得るとの一定の方向性を示していると思われる  子どもの権利を基軸として子どもの性的搾取・性的虐待を包括的に規定した同条約は、「子どもの最善の利益を十分に考慮する」という観点から、より子どもの権利の保障に比重を置いた法的な制度の構築が、子どものCSEC問題への実効的な対処となり得るとの方向性を示していると思われる。
皆川 3_3(3) つづき(14,162) 渡辺作文2018 5章1(3)A つづき(117) 渡辺作文2015 2.3.2 つづき(11)
 また、被害児童に対する保護措置・援助のあり方についても、性的搾取・性的虐待児童保護条約は、児童の最善の利益を十分に考慮するという観点から、より児童の権利の保護に比重を置いた法的な制度の構築が児童商業的性的搾取の問題への実効的な対処となりるとの方向性を示しているように思われる。児童売買等選択議定書においても刑事司法手続における被害児童に対する保護措置に関する規定は置かれているが(8条)、犯罪の防止措置と被害児童に対する援助は同一の規定の中に併記されているにすぎない(9条)。しかし、性的搾取・性的虐待児童保護条約では、まず、防止措置として、児童に接して働く者の採用・訓練および意識啓発、児童の教育、公衆一般向けの意識啓発キャンペーン等について詳細な規定を置き(4−9条)、被害者に対する援助は〔以下約5行弱を省く。〕【注36】

論理18表示166頁注36 特に35条では、事情聴取をビデオ録画し、それが証拠として認められることを確保する義務が規定されるなど、児童の事情聴取時の配慮についても詳細に規定されている。
〔一部上枠内の再掲。〕
 子どもの権利を基軸として子どもの性的搾取・性的虐待を包括的に規定した同条約は、「子どもの最善の利益を十分に考慮するという観点から、より子どもの権利の保護に比重を置いた法的な制度の構築が、子どもCSEC問題への実効的な対処となりるとの方向性を示している思われる。被害者である子どもへの保護措置に関する規定を置くのみならず、犯罪の防止措置」についても、子どもに接して働く者の採用・訓練及び意識啓発、子どもの教育、公衆一般向けの意識啓発キャンペーン等に詳細な規定を置いている【注38】

注38 皆川[二〇一一]一五五-一五七頁、一六二頁。
〔一部上枠内の再掲。〕
 子どもの権利を基軸として子どもの性的搾取・性的虐待を包括的に規定した同条約は、「子どもの最善の利益を十分に考慮する」という観点から、より子どもの権利の保障に比重を置いた法的な制度の構築が、子どものCSEC問題への実効的な対処となり得るとの方向性を示していると思われる。被害者である子どもへの保護措置に関する規定を置くのみならず、犯罪の「防止措置」についても、子どもに接して働く者の採用・訓練及び意識啓発、子どもの教育、公衆一般向けの意識啓発キャンペーン等に詳細な規定を置いている【注52】。

注52 皆川、155-157頁・162頁参照。
    B 性的搾取・性的虐待子ども保護条約と日本
2 国際条約における子どもポルノの位置付け
 (1) 「子どもポルノ」とは何か
 (2) 創作物への対応
3.国際人権法における子どもポルノの位置付け
 3.1.「子どもポルノ」とは何か
 3.2.仮想描写物への対応
説明書 段落93 15-16頁(15-16)   渡辺作文2018 5章2(2) 120-124頁(121) 渡辺作文2015 3.2. 11-14頁(12)
〔対照の強調を省く。〕
〔渡辺風訳。この段落の前2文を省く。〕子どもへの性犯罪を支持したり、奨励したり、容易にしたりするために、小児性愛者間によるアイディアや幻想や助言のやりとりが、物質的なおよびオンラインでの実践として重要な役割を担っていることが懸念されている。
〔独自訳。この段落の前2文を省く。〕児童に対する性的攻撃の支援・奨励又は促進には、小児性愛者間の発想・空想および助言の交換のような物質的なおよびオンラインでの実践が重要な役割を果たすと広く信じられています。
〔原文。〕It is widely believed that such material and on-line practices, such as the exchange of ideas, fantasies and advice among paedophiles, play a role in supporting, encouraging or facilitating sexual offences against children.
〔対照の強調を省く。〕 〔この段落の前1行を省く。〕コンピューターが絡む事例について様々な側面から犯罪化したのは、インターネット上での小児性愛者間による子どもポルノに関するアイディアや幻想や助言のやりとりが、子どもへの性犯罪を支持したり、奨励したり、容易にしたりする役目を担っていることが懸念されたからである【注47】。〔この段落の後約4行半を省く。〕

注47 Convention on Cybercrime, Explanatory Report´ para.93.
〔この段落の前1行強を省く。〕コンピューターが絡む事例について様々な側面から犯罪化したのは、インターネット上での小児性愛者間による子どもポルノに関するアイディアや幻想や助言のやりとりが、子どもへの性犯罪を支持したり、奨励したり、容易にしたりする役目を担っていることが懸念されたからである【注58】。〔この段落の後約5行を省く。〕

注58 同上、para. 93
同頁注56 Convention on Cybercrime, Explanatory Report, para. 101.
  3 世界会議の宣言 4.子どもポルノをめぐる国際的議論と日本
 4.1.世界会議の宣言
 4.2.日本の子どもポルノ政策への評価
 4.3.日本における仮想描写物と性犯罪
5.今後の検討の視点
 5.1.子どもポルノに対する考え方
 5.2.仮想描写物規制のあり方
  〔剽窃元未発見。〕 〔剽窃元未発見。〕

 引用に際し加えた記号等については、剽窃一覧を参照されたい。なお、2015年の作文は、引用に際し強調を省いた。独自見出しの括弧内は、直下の枠内の文字列の掲載頁数である。
 以上に明らかな通り、渡辺は、引用と言い張れない程度の改変をしながら、必ずしも出典を近傍に示さず、本文の一部として他人が書いたものを利用している。これらは、あまり大規模ではないかも知れない。しかし、過去の作文において既に渡辺の剽窃癖が露見していたことが、明瞭に確認される。文言はあまり借りずとも、部分的な構成を借用する例も見られる。また、規制強化に不利な部分を削る傾向も、6章と同様に確認される。
 これはどういうことか。ほぼ一章が無断転載だった旨の言い分が、不正確であるということである。無断転載という表現が不正確であるのみならず、剽窃はその一章分だけにとどまっていない。

 そして、この5章については、特有の事情がある。剽窃を含めて原型となった作文が、国の機関によって公刊されたのである。この作文は、2019年3月20日までのところ、何らかの対処をされた形跡はなく、注記もなく平穏に公開が続けられている。

 その他も含む剽窃の仔細は一覧または入口頁経由で確認されたい。

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