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- どうも、ルオンです。
今は幼馴染のティーゼと旅の途中なんだけど、またティーゼのヤツが問題起しやがった。
あいつはいつも俺のほうが問題に首を突っ込むっていうけど絶対嘘な。
今回も濃い占い用に…あれ恋占い?まあ、なんでもいいやとにかく占いで商売するといって作った人形が暴走したんだ。
しかも俺の顔で。- どうしてあいつはまともなものを作らないのだろう…
恋せよ人形!-後編-
- 街を知り尽くしたと思ったティーゼですら知らない場所に居た。
「どーこだ…此処」
「此処は俺の秘密の場所さ」
タキシードを調えながら『ルオン』は言った。
「さぁ、後は君のウェディングドレスだね」
「誰が着るか。っていうかなんで縄で縛るわけ!?」
「相変わらず俺を困らすなティーゼ…ああ!そうか、マリッジブルーってやつか」
- ポンッと手をたたくしぐさをして『ルオン』は納得したそぶりを見せた。
- 「何でアンタがそんな単語知ってんのよ!」
「おい、ティーゼ、そりゃぁあの年頃のときは俺は馬鹿だったかも知れないけど、いつまでも馬鹿じゃないよ」
「ルオンはいつまでたっても馬鹿よ」
さらりと言ってしまう少女に少しだけ『ルオン』の顔も歪んだが、髪を掻き揚げるとふっと鼻で笑った。
「何で俺の気持ちに気づいてくれないんだ?ずっと一緒だったのに」
「何でも何も、あたしは貴方と一緒に居た覚えはないっつーの。貴方は人形よ。それもあたしが魔法で作ったね」
「その魔法に君の思いがあったから俺が生まれたんじゃないか。昨日あの魔法を掛けられてから放置されて俺はすぐさまタキシードを購入しては飛び切りの花を探しに山へ行ったのに――」
――それで今日まで現れなかったのか
だが、あと数時間で作成してから一時間が経過するはず…
それまでに変なことされないといいんだけど…
「ティーゼ、君を幸せに出来るのは俺一人だけだからな」
「ルオンってば、大きくなったらこんなクサい大人になるのかしら……」
年相変わらず少女は全く人形の言葉を聴いていなかった。
その頃、人形のモチーフになったは――
- 「どこだ…ぜってーあるはずだ…」
はすぐに少女を追いかけることはせず、まだ家の中にいた。
「あのティーゼのものを捨てられない性格からして絶対まだある」
あるものを必死に探し――
「あった!」
お目当てのものを見つけたとたん、彼は急いで家を出て行った。
「さぁ、ティーゼ。喜べ、念願の結婚式だよ!」
「だからしないっつーの…んぐっ!」
じたばた暴れる少女を縄で縛ったままぐいぐい教会まで引っ張られて最後にはハンカチを口に入れられてしまった。
ウエディングドレスを着るのはなんとか拒めたが、少女は黒のローブの上にヴェールをかぶされていた。
「神父、早くしてくれ。俺たちは結婚したいんだ」
「んー!」
「これは双方の合意の結婚ではないのでしょうか…?」
神父は困った顔を浮かべ、どうするべくか必死で考えていた。
「極度の恥ずかしがり屋なんだよ。取り合えず、『誓います』のトコだけ言ってくれればいいから」
強引に『ルオン』が神父に聖書を渡すとリングを見せた。
「えぇー…では汝ルオン・スイエン――貴方はこの娘ティーゼ・リフォルツァンドを…」
- ―――神父!本気ではじめるなよ!
そういいたくとも神父には「んー!」としか聞こえない。
「永遠に愛することを――…」
「ちょっとまったぁ!」
神父の言葉を遮るように扉が大きく開き、まるでどこかの恋愛物語のワンシーンのごとく、一人のがそこに立っていた。
「勝手に俺の顔で結婚するな!大体なぁ!俺は嫁にするなら家庭的な子って決めてるんだ!」
――どうせあたしは家庭的ではありませんよ。
ティーゼの目はずいずい、とヴァージンロードを歩いてきて人形と同じ顔のを睨んでいた。
「お前にはもっとお似合いなヤツがいるぜ!ほら、入って!」
後ろの扉へ声を掛けると純白のドレスを着た女性が入ってきた。
「ティーゼ!!」
「ぶふぅーっ」
『ルオン』は思わず叫び、少女は白目剥いた。
それは少女を少し大人びた感じにした女性でハニーブロンドの髪を綺麗に結わき、ゆっくりと歩いてきた。
「そっちのティーゼは返してもらうから、お前はこっちのティーゼとよろしくやってくれ」
ハンカチの端から泡を吹き出しかけてる少女を見てルオンは顔が引きつった。
「『ルオン』!」
そういうとドレスを着た乙女はのルオンを通り凄し、人形の『ルオン』へ向かって走っていった。
「『ティーゼ』まさか俺のために…」
「ええ」
二人が自分たちの世界に入ってる間ルオンが縄を解いて口の中につめられたハンカチをティーゼは取り出した。
「うげー。何あれ」
「お前、昨日のもう一個あっただろ。それにお前の名前書いてつれてきた」
「アンタ、あたしの名前は書けたんだ…でも、助かったかも…あいがと」
きっとよれよれの字だったに違いないと、心の中では思ったが礼を言う立場なので黙っておいた。
「でもあいつら一日で本当に消えるんだろうな」
「そう願いたい」
「ねえ、ルオン」
ティーゼが思い出しかのように青い瞳をぱちぱちさせると、一呼吸置いてから――
「あ、あたしね。別に今のままのルオンでも全然いいと思うよ。頑張って頭良くなる必要ないって」
- 「お前、喧嘩売ってんのか」
ルオンは笑顔を見せながら思い切り拳を握った。
- 幸せそうに結婚する二人を見送って騒ぎは幕を閉じた――
その頃故郷のジ・ゼリアでは――
「レイリン!これどういうこと!どうして僕のティーゼが君の弟と結婚してるの!?」
「そんなのあたしが知りたいわよ…いいじゃないスペリアル。これからは親戚ということでよろしくー」
優雅にお茶を飲むルオンの姉の言葉を無視してスペリアルは動揺しまくっていた。
片手に自分たちの兄弟が写った「結婚しました」というポストカードをもって。
「ティーゼぇぇ!お兄ちゃんに何の相談もしないでぇぇ・・・・!」
「あいつら大人になったなぁ…」- スペリアルの友人もそれを見てまた親のようなくすぐったい気持ちに浸っていた。
「ジャック!そういうことを言わないで!ああ!ティーゼぇ!」
今にも泣き出しそうなスペリアルを見てはジャックも呆れ顔
「お前らしくないな、反対なんか絶対しないと思ったのに」
クッキーをぼりぼり食べながらなぁ、とレイリンに同意を求める。
「反対じゃないわよこれは」
もはや相手にするのもやめたレイリンは本を開き始めた。- 「なんで式に呼んでくれなかったんだぁ!ああ、早く二人を探してこよう。故郷の町で式を挙げないなんて絶対ありえない」
「そっちかよ!」
「ほらね」
小さな冒険者たちはまだこのことは知らない――…